
ビール酵母資材で実現する「植物活性イノベーション」
米は水田で栽培される――そのような日本の常識を覆す栽培方法が「節水型乾田直播栽培」だ。水を張らない状態の田に種子をまき、出芽後も湛水しない栽培方法である。従来の田起こし、水張り、代掻き、苗代づくり、田植えなどの作業が不要となり、低コスト化・省力化が可能となる。また、水田栽培に比べて大幅なメタンガスの発生抑制と水資源削減も期待できる。この栽培方法では品質の良い米づくりは難しいとされてきたが、可能にした技術の1つが、アサヒバイオサイクルが特許技術を活用して開発した「ビール酵母細胞壁由来の農業資材」である。技術革新によって農業イノベーションに貢献するアサヒバイオサイクルの挑戦について、代表取締役社長の千林紀子氏に訊いた。